« ソーシャルブックマーク管理ツール Bookey 0.04版 | トップページ | ブログの値段 »
2005.10.27
Windows ベースのレンタルサーバ
Microsoftが、スタート・マイ・ドメインというキャンペーンを皮切りに、Windowsで個人向けレンタルサーバに切り込むようです。言われてみるまで気づかないくらい、Windowsのレンタルサーバというのはめったにありませんでしたね。
ただただし@「ただのにっき」のエンジニアいとをかし/Tech総研: Microsoftはホスティングサービスのエコシステムを作れるか
確かに、あんまりありませんね。IIS + ASP の練習用に開放されているレンタルサーバはちらほら見かけますが、実運用向けのレンタルサーバは今までに2つか3つくらいしか見かけたことがありません。
現在流通しているレンタルサーバ利用ノウハウは、詳しい人が解説をネットに書き、それに続く人がさらに情報を増やし続けてきた結果です。これら膨大な情報が新たなユーザを生んでいるわけで、これはいわゆる「エコシステム」になっています。後発のMicrosoftはこのエコシステムをほとんどゼロから作らなくてはいけないわけで、かなりチャレンジングな仕事だと思います。
ただただし@「ただのにっき」のエンジニアいとをかし/Tech総研: Microsoftはホスティングサービスのエコシステムを作れるか
とりあえず、IIS 上で Movable Type を動かすノウハウなら、私でも提供できます。そんなに難しくない。Visual C++ で作った CGI と perl で書いた CGI を共存させるには、ちょっとしたテクニックが必要ですが、perl しか使わないのであれば、簡単。
ただし、ちょっと突っ込んだことになると、ノウハウが全然足りない。例えば、Movable Type のプラグインに限定しても、UNIX系OS + Apache + perl 上では問題なく動くのに、なぜか Windows + IIS + Active perl では動かないものに時々遭遇するんですが、Web を探し回っても解決法が見つからない。というか、断念したという話しか見かけない。IIS 上で Movable Type を動かす人が増えて、いろんなノウハウが蓄積してくれば、そのノウハウの組み合わせで解決方法というか突破口が見つかるかもしれません。ってな感じで、Movable Type 関連に限っても、エコシステムを作るのには時間がかかりそうです。
一方、セキュリティ関連の問題は、Windows 一般のノウハウがそのまま使えるし、IIS 絡みのノウハウもそれなりに蓄積されていると思います。IIS で運用しているサービスはノウハウを蓄積するのに十分な数だけ、すでに稼動していると思います。ですので、当面は「レンタルサーバ」特有の問題に絞って、ノウハウの蓄積を進めるのがいいかもしれません。
ただし、Windows ベースのサーバにも有利な点はあって、それは手元の Windows マシンで IIS を稼動させておき、その上で CGI を動かしてみてうまくいったら、レンタルサーバにアップロード、配置する、というやり方が使える(人が多いことが期待できる)ことです。レンタルサーバが Linux の場合でも、手元に Linux マシンを用意すればいい訳ですが、初心者だと Linux を導入するより、Windows を導入する方が敷居が低いでしょう。そういう意味では、Windows であることが有利に働きます。
要は、Windows ベースのレンタルサーバのユーザがある程度以上の数になるまでは、自分の手元で試験して、エラーを解決して、ってことが自分でできる人であれば十分やっていけるけど、そうじゃない人は苦労しますよ、って話ですね。自分ひとりでとても全部はできないという人は、エコシステムが整うまで待つしかないでしょう。で、待つのがいやな人は Linux もしくは BSD ベースのレンタルサーバに走る。そして、Windows ベースのレンタルサーバのユーザの数は全然増えない。という悪循環になるような気がしますが、その辺はマイクロソフトだから、ちゃんと考えがあるのでしょう。
標準装備のブログやコミュニティサイトを余裕のあるホームページ
@Press | 次世代ホスティングサービス「DOSABA」リリースについて
スペースにて公開が可能となっております。
「ブログやコミュニティサイトの両方を標準装備しています」なのか、「ブログのみ標準装備、さらにコミュニティサイトをご自分で載せるだけの余裕があります」なのか、どちらなのかよくわかりませんが、少なくともブログが標準装備なのは間違いなさそうですね。
DOSABA 以外に、以下のサービスが「スタート・マイ・ドメイン」キャンペーンの対象となるようです(参考: マイクロソフトから個人向けホスティングサービスキャンペーン (MYCOM PC WEB))。
上記のレンタルサーバでは、ブログというか、CMS として DotNetNukeが提供されるようですが、日本ではまだなじみが薄いのが弱点ですね。DotNetNuke を運用する上で参考になりそうな文献は圧倒的に英語のものばかりです。日本語で読めて参考になりそうなものは、今のところ、
辺りのようです。他に、「Windows Developer マガジン10月号」という雑誌に DotNetNuke の解説記事が掲載されている模様。詳しい情報を知りたい場合は洋書の "Professional Dotnetnuke Asp.net Portals" を読むのがいいようです。
「Sugi@ぱぱんぶぃびぃ Blog」の人が、「現在、DotNetNuke ベースで PAPA'n VB サイトの焼き直し作業を行ってます。」と書いていますので、いずれは、日本での DotNetNuke の運用例として参考になるのではないかと思います。
投稿者: tsupo 2005.10.27 午前 05:33
| 固定リンク
|
|
| ![]()
|
|
アマゾンわくわく探検隊
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
この記事へのトラックバック一覧です: Windows ベースのレンタルサーバ:
» M3 Weblog from 観測気球
先日参加したマイクロソフトのイベント(というかセミナーのようなもの)で M3 Weblog という ASP.NET 2.0 ベースの blog システムが紹介されていました。簡単にレポートして 続きを読む
![Windows Developer Magazine (ウィンドウズ デベロッパー マガジン)10月号 [雑誌]Windowsで開発を行なうデベロッパーのための総合技術情報誌](http://images-jp.amazon.com/images/P/B0009I6HQO.09.MZZZZZZZ.jpg)




